インプラントの種類
ハイドロキシアパタイト(HA)コーティングインプラント
HA被覆インプラントは2011年現在、全インプラントの30%を占めるに至っています。 HA被覆インプラントの利点は、植立時にインプラントと骨組織間に密着を必須としないこと、インプラント周囲の骨形成不全に至る可能性が低いこと、骨不良部位にも適応可能であることであるとする考え方があります。インプラントへのHAのコーティング方法はプラズマ溶射が主流であるが、プラズマ溶射はアモルファス相を多く含むためHAの組成が不均一になり骨結合の欠落、HA皮膜の溶出というリスクの報告もあり、この問題を解決する方法としてHA皮膜を薄膜化することが検討され、スパッタ法、イオンビーム法、レーザーアブレーション法などが開発されています。
しかしHA被覆インプラントは感染に弱いとの報告もあり、世界的には否定される傾向にあります。欧米では、ほとんど使用されず、日本と韓国が主な市場な様です。
種類
インプラントは世界に100~200種類が存在すると言われています。 日本で主に臨床で使われている代表的なものを以下に記します。
ノーベルバイオケア社
ブローネマルク
歴史が長く世界でもっとも普及しているインプラント。エキスターナルコネクトの代表。リプレイスセレクト – 旧ステリオス社製のインプラントでノーベルバイオケア社がステリオス社を吸収したことによりリプレイスというブランドとなった。その後、インプラントのインターフェイスの潮流が、エキスターナルコネクトからインターナルコネクトへと変わり、リプレイスセレクトが開発された。
ノーベルダイレクト
一回法のインプラント。ワンピースインプラント。
アストラテック社
アストラテックインプラント
世界屈指の製薬会社アストラゼネカのグループ企業。インプラントメーカーとしては後発であるが、その特徴である「インターナルコネクト」「コネクティブカウンター」などが他社に模倣されるなど、最新インプラントの基本形になっている。また、その他の特徴である「マイクロスレッド」により辺縁骨の吸収が少なく、「インターナルスリップジョイント」により、2次オペなどの術式が簡便であるなどの利点がある。
ストローマン社
ITIインプラント
比較的歴史が長く、症例数が多いインプラント。 当院で使用しているインプラントです。
ジンマーデンタル社(整形外科で有名なジンマー社のデンタル部門)
スクリューベント
2回法のインプラント。MTXブラスト処理タイプと (HA) コーティングタイプがある。
スイスプラス
1回法のインプラント
カルシテックインプラント
ハイドロキシアパタイト (HA) コーティングのインプラント。
デンツプライ フリアデント社
ザイブ
ドイツ製のインプラント。フィクスチャーにテーパーがあり、ネック部と根尖部の2箇所で初期固定が得られるようになっている。
アンキロシス
フリアリット2
日本メディカルマテリアル
(京セラと神戸製鋼所それぞれの医療材料部門の統合によって設立)
POI
国産インプラントとしては最も歴史のあるインプラント チタン合金をベースに、表面に陽極酸化処理を施したタイプとハイドロキシアパタイト (HA) コーティングタイプがある。
POI EX
2006年に発売となった、上記POIのフルモデルチェンジ版 初期固定性能の向上と、より高度な審美的要求に応えることを目的に開発された。 当院で使用しているインプラントの一つです。
プラトン社
プラトンバイオ
日本製のインプラント。HAコーティングがされている
アドバンス社
AQB
AQB(Advanced Quick Bonding) 純国産インプラントであり、従来の治療期間6カ月を1~2カ月に短縮する、自社特許・再結晶化HAコーティングの技術と、1ピース1回法をメインにしたシンプルな術式で知られる。難症例などまで幅広い症例に対応する応用範囲の広いインプラントである。